浅層VOCs化学処理

VOCs汚染の土壌・地下水に対し生物の分解能力を利用して、VOCsの浄化を行う工法です。

VOCsの分解

VOCsは、指定されている物質のうちベンゼンを除いた10項目が有機塩素化合物です。
また、シアンは炭素と窒素の化合物です。
有機塩素化合物は塩素の結合を、また、シアンは炭素と窒素の結合を断ち切ってやることにより、毒性の小さな化合物に変化させることが可能です。(ただし、シアンは錯体となっている場合は化学分解が困難な場合があります。)

化学処理は、酸化剤や還元剤を用いて、これらの結合を断ち切ります。
化学分解は反応が比較的速いため、短期間で浄化効果を確認することが可能です。

下図はテトラクロロエチレン(PCE)の塩素が順次離れ、トリクロロエチレン(TCE)→ジクロロエチレン(cis-1,2-DEC)→ビニルクロライド(VC)と変化し、最終的に二酸化炭素、水、塩素に分解される様子を示しています。

化学処理の優位性

1.撹拌状況を目視により直接把握しながら浄化確認を行い、全量を均一な品質で浄化
2.即効性粉体分解剤を物理的に均一に撹拌することにより短期間で浄化が完了
3.物理的な混合により、粘性土混じりの土壌にも効果的な浄化が可能
4.汚染土壌の運搬及び埋戻土が不要、低濃度汚染土壌に対して浄化対策費用の効果大
5.汎用機械による工法であるため、工事規模の大小に関わらず現場調達が容易
6.深層部の汚染に対し、揚水曝気(抽出)及び微生物処理等との連携が可能

施工方法

オンサイト浄化(化学処理)

対象土が地下水位の上位にあり、地下水に汚染が無い場合に効果的です。
浅層(GL-0.0m~GL-3.5m)の汚染土を掘削して隣地に仮置きしてから
化学処理を行い、浄化完了確認後に埋戻しを行います。
土壌汚染対策法適用工事でも、地下水モニタリングは1回で終わり短期間施工となります。
また土壌汚染対策法適用工事では仮置場所の14条の申請が必要です。

原位置浄化(化学処理)

当社の場合オンサイト化学処理と同様の条件(浅層、地下水の上位にある)としますが、
仮置きしないで直接原位置で化学処理を行います。
土壌汚染対策法適用工事では地下水のモニタリングが2年間(1年間に4回以上)が
必要となります。
条令適用工事等でモニタリングの必要が無い場合は短期間施工となります。